加賀藩の文化を紐解く6つのポイント

[参]加賀藩には大名が9人もいた!?

  • 儀式風俗図絵「元日拝礼」(金沢大学附属中央図書館所蔵)
  • 前田直躬(前田土佐守家資料館所蔵)
  • 本多政重(公益財団法人 藩老本多蔵品館所蔵)
  • 奥村永福(永福寺所蔵)

 1万石以上の領主を「大名」と言いますが、加賀藩には大名並みの知行(ちぎょう)(石高)を持つ家臣が多く存在していました。
 特に、人持組頭(ひともちぐみかしら)(軍団長)を務めた8家老は「加賀八家(はっか)」と呼ばれ、本多家の5万石を筆頭に1万石以上を有する重臣が藩政に関与していました。そのため加賀八家と藩主前田家を合わせて「加賀には9人の大名がいた」と言われます。5万石を現在の貨幣価値に直すと約25億円(1石=1両=約5万円で換算)。年収25億円と言えばその大きさがわかるでしょうか。
 実はそれ以外にも人持組の今枝家、津田家ら4家も1万石以上を有しており、加賀藩には大名が13人いたとも言えます。

加賀八家

元禄期成立時 初代当主 石高
本多政長 (政重) 5万石
長 尚連 (連龍) 3万3000石
横山英盛 (長隆) 3万石
前田直作 (直之) 1万1000石
前田孝貞 (長種) 1万8000石
奥村時成 (永福) 1万7000石
奥村庸礼 (易英) 1万2000石
村井親長 (長頼) 1万6500余石