加賀藩の文化を紐解く6つのポイント

[六]傑出した文化大名、加賀藩の伝統工芸

 歴代の加賀藩主は、幕府の警戒を和らげるため文化事業に強い関心を寄せました。工芸発展の礎は「御細工所(おさいくしょ)」の設置や、京などから招かれた「御用職人」の活躍によって固められ、蒔絵(まきえ)や象嵌(ぞうがん)など加賀藩独特の世界観を確立しました。
 当時は武家の嗜みとして茶の湯がさかんであったことから、美術工芸品の名品を数多く収集したことも大きな影響を与えました。能楽も手厚く保護し、綱紀が金春(こんぱる)流から宝生(ほうしょう)流に切り替えるとさらに盛んになりました。武家階級だけでなく植木職人や瓦ぶき職人にも親しまれて、「空から謡(うたい)が降ってくる」とまで言われたほどです。これらの文化や伝統工芸は今も脈々と受け継がれています。

  • 金箔
  • 加賀宝生
  • 高岡銅器
  • 井波彫刻